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前回の記事に書いた、西條剛央さんって人が、やったことが凄いので、それについて少し書かせていただきます。
西條さんって、「構造構成主義」っていう学問を研究している学者さんです。
そして、特にボランティアをしたこともなければ、事業を立ち上げたとか、プロジェクトをまとめたとかの経験があるわけでもないのに、実は、東日本大震災の時の「ふんばろう東日本支援プロジェクト」という、超巨大なチームをまとめあげた人です。
どうしてそんなことができたのかというと、彼の持っている「構造構成主義」っていう理論を使うことで、できたのだそうです。
「構造構成主義」って、難しそうですが、私が一番心に残ったのは、
「状況×目的→方法」っていう方程式ですね。
状況とか、目的が変わると、方法も変わるよ、ってことですね。
これについて話し始めると長くなるので、この方程式については、また別の項目を取ってお伝えすることにします。
で、話を戻しましょう。
「理念」っていう話でした。
この「理念」っていうものは、どうやら、「てにをは」(助詞)の一つも大切に考え、充分で、かつ、余計な言葉は入れない。本音で書く。ということがポイントのようです。
参考として、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」さんの場合を引用させて頂きます。
ここでは、理念ではなく「目的」という表現をされていますが、ほぼここでは同じ意味に取って良いのではないかと思います。
目的
「被災された方々が自立した生活を取り戻すサポートをすること」
最終目的
「この組織がなくなること」
というように決めたそうです。
で。
たとえば、似て非なる言葉として、目的を「被災者支援」という風にしてもいいんじゃないか、と思われるかもしれません。
でも、「支援すること」が目的だと、過保護な支援をしてしまったり、場合によっては被災者の自立を妨げてしまったりすることもあるかもしれません。
この、
「被災された方々が自立した生活を取り戻すサポートをすること」
ということを、はっきりと定めておくことで、いろいろな問題が持ち上がった時の判断を、全てここに照らして決めることが出来たのだそうです。
たとえば、大きな寄付などが入った時に、それを分けて、信頼できる他のボランティア団体に使ってもらうとか。ここに掲げている目的のために使ってくれるなら良いよね、という考えです。
他には、「被災された方々」っていう枠なので。
赤十字から家具の配布があったそうなのですが、それは「仮設住宅に付随させる形で、家具のセット」という形だったそうです・・。
被災された方々、って、自宅の人も含みますよね?自宅で、家具がやられてる方もたくさんいました。そこも対象にちゃんと入ってくるわけです。
「自立した生活」という文言が入っているので、早い段階から、頂いた寄付などのお金で、被災地の方々に、重機の免許などをとってもらって、地元で働けるようにしたり、作業所を作って、そこでものづくりをしたり、ということをしていったそうです。
まさしく、何かあった時にはここに照らして決めればいい、という羅針盤のようなものですね。
そして、最終目的として、「なくなること」というのを掲げていたおかげでよかったこと。
ここは、「チームの力」本文から引用させていただきます。
「そして、「ふんばろう」自体も、3年半以上が経過し、各団体が独立できる体制が整ってきた状況をもって、数十のプロジェクトをたばねる大きなチームとしての役割を終えたと判断し、発展的に解消させた。
さらに資金的にも、活動を継続する独立団体を2年はサポートできることから、1000名以上のサポーターから毎月定額の寄付が入ってくる仕組みも必要なくなったと考え、停止させた。ふつうであれば「せっかく自動的に資金が入ってくるのにもったいない」と考えるだろうから、こうした意思決定をする組織は極めて稀であろう。むしろ、多くの場合、一度利権を得た組織は、それを維持すること自体が目的となってしまう。」
なんかね、美しいなと思いました。
この美しさに惹かれて、「ふんばろう」の活動に賛同した方もいたようです。
なんか、アストロラーベの理念の話から脱線してしまいましたが、長くなったので、続きは、また次回にさせて頂きます☆