声優オーディションと、その現実。

今日、娘が声優のオーディションを受けたいというので、


一緒に東京まで行って来ました。



いろいろと、楽しかったり


また、考えさせられたりもしました。



楽しかったのは、なんといっても、


オーディションそのもの。


若い男性、中年の男性、若い女性、中年の女性。


それぞれのセリフが用意されていて。


それを、その人っぽく読むのですが。


ぶっつけ本番でしたが、上手でした!


(親バカ丸出しですが、お許しくださいませ!)



考えさせられたこと、学んだことは。


このオーディションというのは、


例えば女優さんになるための階段を登るための、


映画の主役のオーディションとか、


そういうのとは違うんだっっていうこと。


もっと簡単にわかりやすくいうと、


みんなで声優として参加して、一本の動画を作ろう、という


有料イベントなんだということ。


それは告知には書いてなかったんですよね。


まあ、それが経営戦略なんだと思うのですが・・。


で、まあ、それが、まあまあ高額な金額ではありまして・・。



それで、先方の話も聞きつつ、


このところも声優業界の動きもふまえつつ、


私なりに、理解できた部分で話をまとめますと。



まず、声優さんって、


それだけで食べていける人って300人位みたいです。


(今イベントとかで稼ぐ人もいるから、


もしかしたらもう少し多いかも・・って言ってましたが)


で、声優年鑑?って言ってたかな、なんかそういう名簿みたいなのに


載っているのって、20年位前は300人くらいだったけど


今では1500人いるとか言ってました。


で、裾野は物凄く広くて、志望者は何万人とか?!


前々から、声優ってほんとにそれでやれる人は一握りで、


あとはみんな使い捨て、って聞いたことあったんで、


ああ、こういうことかって、再確認した感じだったんですが。



その上で、最近、インスタとかで、


めっちゃ、「声優やりませんか」「声をほめられたことはありませんか」


みたいな広告、見ませんか。


あれは、どういうことなんだろうと、しばらく気になっていたんです。


そんなに声優さんが、余るくらいいるのに


盛んに素人から募集するっておかしくないですか?


(ちなみに私も、声はほめられてきたクチです。


「声は」って、失礼な!!と思ったときもありますが^^;


姿も声もご覧になりたい方は、ユーチューブには時々出てますので、


そちらをご覧下さい。ブログの記事が動画になってるものもあります。)



で、しばらく観察してて、わかったんです。


これは、正確には「声優募集」ではなくて、


「声優になりたいという夢が捨てきれない人に付き合います」という商売


なんだなあと。


つまり、「(なんちゃって?)声優スクール生徒募集」ってことで


なんなら小さくとも何かに出演させて「夢をかなえますよ」っていう


そういう仕事なんだなと。


だから、その流れを読んでいたので、


今回のオーディションが、有料だと聞いたときにも、


「ああ、あの流れの、変形バージョンね」と私は理解しました。



別に、それが悪いと思っているというわけではないんです。


だって、何百万もお金かけて声優のスクールに行って、


それで出演とか全然できない、という人もいるわけだし。


特に、シニア世代の方とかは、それが生き甲斐になったり


作品になったりしたら良い思い出にもなるし、


お金もらえなくても


(多少もらったとしても、結局は支出の方が多くても)


いいんじゃないかとも、思うんです。



ただ、まだ12歳のみーには、なかなか厳しい現実だったようです。



「どうする?今までためてきたお年玉、思い切って使う?


私も少しなら応援できるよ?」


と、訊いてみたのですが・・。



「私、ちょっと興味があったから来てみただけなのに・・


そんなにお金払うとか、考えてなかったし・・」って


私が思う以上に、相当慎重なんですね。



何かを決断するときには、思い切って何かを手放す、


捨てるということが必要なときもあります。


自分が本当にそれを欲しいと思うなら。



大学とか、専門学校に行くときの奨学金もそうですよね。


それに、目指す進路に、確実になれるかどうかなんて分らないのに


そこを思い切って大きな借金を背負って、人生の賭けに出る。


その金額に比べたら、


今回のそれは、全然大した金額ではありません。



しかし、みーはなかなか考え深い子なのです。



「将来に対しての、そういう大きな決断をするとか


全然そういう気持ちはなくて、軽い気持ちで来たのに・・」


と。


帰り道はしばらく、ろくに口もきけず、うなだれていました。



そして、自宅が近くなって来た頃。


「あー、ふっきれたわ。お母さん、断っといて」・・と。



10月中くらいまでにお返事を、と言われてるので、


もう少しだけ様子を見ようかなと思っていますが・・。



・自分で好きだと思うことに挑んでみる楽しさ


・それで食べていくということの厳しさ


・それを逆手に取った仕事があるという現実



若いながらに、たくさんのことを感じた一日だったと思います。


本当に疲れたんじゃないかな。



でも、現実に動いてみて、はじめてわかることってたくさんあります。


私としても、非常に勉強になった一日でした。




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2024年10月05日

コメント
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