日本一ドタバタな受験生。(後編)

前回の後編です。


ぜひ、前編から先に読んでくださいね!


(意味が分からないと思いますので!)



で。


「10分でいきます!」と言ってたタクシーを。


待っていたわけですよ、ガソリンスタンドで。


でも。


10分、15分・・・待てど暮らせど、来ない。


スタンドのおじさまも一緒に心配してくださり。


「確認の電話、してみたら?」


「そうですよね・・」


で、かけてみた。


「もしもし、先ほどタクシーをお願いしたものですが。


10分で来ると聞いたんですが、未だ来ないんですが。」


「え?!場所はどちらですか?」


「○○のガソリンスタンドです」


「確認します、少々お待ち下さい。


・・・・・・えっと、まだ乗られてないんですよね。」


「はい。」(だから電話してるんですけど!)


「もう、その車はお客様を乗せて走っているんですが・・・」


「・・・・?!」(どゆこと?!)


「なんか、違う方を乗せてしまったみたいで・・」


(まじか?!・・軽くパニック。)


「っていうと・・こちらの方に来てくださって


誰かこの辺にいた、別の方を、間違えて乗せていかれたと?」


「どうも、そういうことみたいです・・」


(うわ~、まじか~ありえない~(泣))


「別の車を手配しましょうか、15分くらいかかりますが・・」


「あ~、もうそれじゃ間に合わないんでいいです、失礼します」


若干くらくらしながら、スタンドのおじさまにも説明し。


とりあえず、まずは高校に連絡だ!


「これこれこういう訳で、


道に迷った上にタクシーにも置いていかれまして!


すみませんが、ちょっと遅れるかもしれません!」


「わかりました!気をつけていらしてください」


ってことで、次のタクシーを探し。


「7分でいけます!」って言うところが見つかったので、そこに頼み。


そして、「タクシー見つかりました!」って旨を


スタンドのおじさまに伝えると。


横から、スタンドのおばさまが、


「ねえ、今、給油してるあの車、高校の近くまで行くから


乗せてってもらったら?」


見ると、老人デイサービスの送迎のワゴン車。


「あ、でももうタクシー頼んじゃったんで大丈夫です!」


そうすると、デイサービスの運転手さんも出てきて、


「もう、すぐ近くだからさ!いいよいいよ、早いほうがいいから。


タクシーは断ればいいよ!さ、乗って乗って!!」


って、凄い勢いに押されて、


私と次男、「あ、え?・・はあ、ありがとうございます、じゃあ」


みたいな感じで。ワゴンに乗り込み。


ワゴン、出発!


運転手さん、「タクシーに断りの電話入れて!」


「あ、分かりました!」


「もしもし、先ほどタクシーのお願いをした者ですが


キャンセルさせてもらいたいんですが・・」


「キャンセルは出来ませんよ!」


「え!?(ワゴンの運転手さんに向かって)キャンセルできないって


言われちゃったんで、おろしてもらえますか?」


「いいよいいよ、電話切っちゃえ」


「え?え?」


「いいから早く切って!」


「あ、は、はい!」(電話を切る)


(プルルルルル・・・(電話の着信音・タクシー会社から)


「電話出ちゃダメだよ!」と運転手さん。


「わかりました!」と私。


このやりとりを3回くらい繰り返し、電話が鳴らなくなる。


「けいさつにつかまりますか?」とちょっと不安げな次男。


運転手さん、次男にも話しかけてくれました。


「大丈夫だよ、警察なんかに捕まんないよ。


お兄ちゃん(次男のこと)、人生いろんなことがあるんだよ。


いろんなことがあるからおもしろいんだぞ。」


私もそれに乗って、


「そうそう。全国広しと言えど、老人デイの送迎車に乗って、


受験会場に行くのは君だけだよ。」


そういうと、次男のテンションが急に上がって。


「え?日本でぼく一人だけ?すごいね!」


うん。ある意味凄い。そこに追い込んだのは私だけど(苦笑)。


そんなこんなで、やっと高校に着きまして。


高校の先生が校門近くで待っていてくれました。


しかし、タクシーで行くといったのに、なぜかデイサービスの送迎車(笑)!


「ガソリンスタンドで給油してて、たまたまそっち行くからって


拾ってくださって~!」


と、ざっくり過ぎる説明をして。


そして、「がんばってね!」と、手を振って、


あっという間に次男は会場へと向かっていきました。



そして、試験は終わり、お迎えの時間。


「どうだった?普通に出来た?」


「できたよ。難しいところもあったけどだいたいできた。」


「落ち着いて出来たの?」


「大丈夫だった」


いや~、本当に、次男のこの態度に、びっくりしました。


ちょっとしたことでパニックを起こしてしまう子だったんです。


いや、そうでなく、普通の子でも、


こんな凄まじい受験当日の大冒険をしたら、


きっと動転してしまって、実力を発揮できないと思います。普通。


でも、この次男の、「普通だった、大丈夫」という言葉に、


次男がどれだけ精神的にタフになったかを見せてもらい、


びっくりしたのでした。


試験の結果は・・・また次回の記事にしましょう。



今でも、あの受験日の朝の出来事を、次男は、


「あれはトラウマレベルの大冒険だったね~!」と


実に楽しそうに満面の笑みで話します。



話題の尽きない、私のADHD付きの人生。


大変なこともありますが、満喫しています。


ADHDでお困りの、ご本人、ご家族の方、


こんな私でよければ、何かお力になれればと思っています☆


こんなブログで、ちょっとでも楽しんでもらえたり、


勇気が出たりしたら、うれしいなって思います☆




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