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今までの一年間、「12星座の詩」を書いてきましたが、
一年で一周してしまったので、
この先、どうしようかなと思っていました。
その時に、ふと思いついた、「○月の詩」。
どうなることやらわかりませんが、書いていきたいと思います!
では。中途半端ですが、今月、「三月の詩」から。
卒業
父は植木屋だった
私が小学校を卒業する時
記念植樹を頼まれて
父は ゆずり葉を植えた
謝恩会では 「ゆずり葉」という詩が読まれた
とても美しい詩だった
それは 親世代が子供世代へ贈る 愛の詩(うた)
あの時の胸の熱さは 今も覚えている
その詩の中に
「子供たちよ 私たちは何も持っていかない」
という言葉があった
父もそろそろ 見送りを考えなくてはならない齢になり
私も人生の半ばを過ぎ
今になって気づいたことがある
「私たちは 何も持っていかない」のではない
「私たちは 何も持っていけない」のだ
どんな巨万の富も
広く深く学んだ知識も
何一つ 持っていくことなどできない
それでももし
魂という入れ物の中に
何かをわずかに入れて
持っていくことができるなら
はたして何を持っていきたいか
考えながら 生きていくことが大事なのではないか
私よ
そして、今、小学校を卒業する
愛しい娘よ