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『彼からのラインの返事が今までにないほど遅い。』
『私は見捨てられるのではないか?。』
『私に別れを告げようとしていないか、彼の今の感情を観て欲しい!』
このようなご相談があったとき、
実際に占ってみると、案外と予想とは異なる回答が返ってくることがあります。
”彼は別れようとは思っていない、ただ、今の交際内容を大きく変えられる見込みもないので、貴女がそれでも良ければ、と思っている。”
という感じだったりすることが多いのです。
ところが、この類のお悩みを投げかけて来られるお客様は、往々にしてその鑑定結果を容易に受け容れられない場合が多く、
『そんなはずはないです、彼は気が短いし白黒付けるのが早い人だから。決してそんな悠長な考え方はしないです。』
『身体の相性が良くない人とは付き合えない、と以前に言われてある。だから、たぶんそれが関係しています。私はもうじきふられるんです。きっと彼は既にそう決めているんだ。』
という感じで・・・。
占いの結果よりも、その方が既に頭の中で思い描いている相手の性格というものがあって、そこから強く思い込んでいる何かがあるのです。
・きっと~に違いない
・絶対に~なはず
・彼はそれほど優しい人ではない
・彼は他にも女がいるはず
といった予測を強く主張して来られることがあります。
大体、そのような反応をされる方というのは、過去に散々、恋愛で傷ついたり、逆に相手を振り回して見限られたりしてきたような、つらい経験を抱えていたりする傾向があります。
そのトラウマ体験がフラッシュバックして、どうしても悪いほうへ悪いほうへと発想してしまうようです。
それが、もはや相手を見るときの固定観念と化している場合が多く。また、男性(女性)という生き物はそういうもの、だと決め付けてしまう傾向もあります。
でも、本人としては、あえて悲観的に見たり、絶望的に考えているつもりは無く、むしろ『アゲて貰わなくて結構です、現実的に考えて、普通に考えてそうじゃないですか?』みたいなことを仰るわけです。
そのあとお相手からちゃんと連絡は来て、別れるつもりではないことが判明したりするのですが、案外そうなるとケロっとして、
『連絡来ました、ひとまず、ふられなくてよかったです。』
という感じで話は終わり、また違う話題に移るというパターンが多いです。
でも、なんというのか、立ち直ると同時に、どこかにまた新たな不安が生まれようとしてくる兆候というのか、心の傾向というのでしょうか、あるんですよ、そういうのが。
つかの間の安堵感はあるんだけれど、一難さってまた一難、という展開を恐れてしまうので、占いというものが手離せなくなってしまうんだと思います。
つまり、毎日相手の心境を占いでモニタリングしようとしてしまうのです。
それで、私はそういうタイプの方々を見ていて、どういう心理構造なのだろう、と色々と思索してみるのですが、たぶん、これは”今ある安定が崩されたくない”という恐怖心から来る、ある種の強迫観念なのではないか、と思うのです。
だから、ささいな出来事から即座に最悪の事態を想像、想定してしまう癖がついているのです。そして、幸いにも、その予感が外れていた場合、それでも、その人にとっては結局、”プラマイ0”なわけです。
なぜプラマイゼロかというと、今回は、たまたまセーフだっただけで、またいつなんどき嫌われてしまうか分からないという、常に湧いてくる不安感そのものは消えないからです。
まるでボートの水をバケツで汲んで海に捨てても、またジワジワと水が穴から染み出して上がってきてしまうような感覚です。
『私は崖から突き落とされなくて済んだ、ああ、セ~フ・・・ハァ、ハァ、ハァ』
となっていて、突き落とされなかったこと自体はまあ良かったといえば良かったのだけれど、それでもその人のイメージの内側では、相手と自分は依然として崖っぷちのところで向かい合い、対面している、睨みあっている感覚なのでしょう。
相手と自分の立ち位置を、視覚的に思い浮かべたときに、常に自分が不利な所、崖に背を向けた状態で相手と対峙しているような、そんな心理なのではないでしょうか。
もしも、恋愛をする度に、好きな人との位置関係を、こんな風に捉えてしまっていたならば、それは何度別れて、何度巡り合っても、同じ焦りと疑心暗鬼の無限ループからは抜けられません。
相当疲れる恋愛になると思います。
そのカラクリというか、心の落とし穴にすっぽり嵌ってしまっている、ということを何とか言葉を噛み砕いてお伝えしたいのですが、これがなかなか至難の業なのです。
そうした癖を持っている方というのは、基本的に聞く耳をあまり持とうとはしません。
ちょくちょく頻繁に占いに伺いを立てる反面、言いたいことだけ吐き出したら、ありがとうございましたーで終了される方が多いんです。
自分の物の見方、感じ方、それを否定されたように感じるのが怖いのかなと思います。
どこか自分を客観的に見ることを恐れ、避けているようにも見えます。
お相手とのやり取りのなかで起きる変化に一喜一憂するあまり、常に精神的な過呼吸状態に追い込まれていたり、過去の経験を内省してそこから現状の問題を静観するということができ難い方が多いので、結局、同じような質問を、2、3日置きぐらいに尋ねてくるという形になってしまうのです。
結局、『彼と次会えるのいつですか?、占ってください!。』
こればっかりになってしまうんですね。
占いで、どうなるかを観る事はできるのですが・・・。
たぶん、そういう人たちが本当に人生の充実感や、幸福感を感じられるようになるためには、
”お悩み無限ループ”
”人間不信という名の底なし沼”
”常に崖っぷちの対話”
という心理構造それ自体を何とかしなければならないでしょう。
しかし、それをお伝えする時間を、お客様側が求めておられない場合、話せる機会はやってこない・・・。
これが占い師の悩みです。