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~あの頃と、今と~
何もかもが満ち足りて
このまま死んでもいいと思った
19歳の春
どんなに自分が幸せか
そして世界がそうでないか
半径3メートルの幸せと
どうにもならない世界
あの時に感じていた違和感や疑いは
ちゃんと的を得たものであったと
今になってわかった
何もかも知っていたのかもしれない
そして
何もかも経験してないことだらけだった
19歳の春
それからいろいろな時を過ごし
ささやかであっても
自分の手で何かを創り出し
世界に向かって
投げることが出来ると知った
あの頃は
世界に対して
ただ無力であると感じていた
今は
自分の小ささを知り
そして
この小さな手で
小さくとも心を込めて
何かを創り出せることも知っている
まだ死ねないと
まだもうしばらく生きたいと思う
あれから30年経った この秋