空が青いから白をえらんだのです (奈良少年刑務所詩集より)



kumo88




久しぶりになりますが、


「空が青いから白をえらんだのです」

(奈良少年刑務所詩集)

寮 美千子 編 より


いいなあと思った詩をひとつと


その後に、編者の寮さんのコメント、


最後に、私が感じたことなどを書きます。





いつも いつでも やさしくて




ぼくが泣いて帰ってきたときも


怪我をして帰ってきたときも



いつも いつでも やさしくて



ぼくが初めてウルセーって言ったときも


初めて学校で問題を起こしたときも


いつも いつでも やさしくて



ぼくが落ち込んでいるときも


反抗したときも



いつも いつでも やさしくて



そんなやさしい母さんだから


ぼくもやさしくしようっていう気持ちになる



でも ぼくのなかには「俺」がいて


そんな「俺」は時々


なにかに当たりちらして


ブツかって生きたかったんだ


でも



あなたは いつも いつでも やさしくて



だから本気で ブツかれなくて


だから本気でわがまま言えなくて


だから本気で さびしくて



やさしさで包んでくれる母の愛


ぼくはしあわせだけど


その「愛」が「やさしさ」が


ぼくのなかの「俺」を不自由にする



「俺」を母さんのまえで自由にして


本気で手足をバタバタさせたい


いつも いつでも



でも 少しも母さんに迷惑かけたくないんだ


そう そのやさしさの前では



いつも いつでも やさしくて





やさしさが、真綿のように人の心を


締めつけることがあります。


何が、ほんとうのやさしさなのか。


自分に問い直し、相手を見つめることの大切さを、


この詩は気づかせてくれます。


刑務所の矯正展の展示で、多くの参観者の注目を集めた詩でした。


(以上は、寮さんのコメントです)




もう17.8年も前のことでしょうか。


いわゆる、ママ友、


どこで出会ったのか、市役所か、児童センターか


忘れてしまったのですが、


長男と同じ年の男の子を持つお母さんと、


しばらくお付き合いしていた時期がありました。



そのママが、本当に優しい方だったんですね。


子供が何をしても、怒らない。


やさしく、「だめよ」と注意するくらい。


本当に不思議なくらいでした。


なので、思い切って聞いてみたのです。


「どうしてそんなに怒らないでいられるんですか」、って。



そうしたら、そのママは、こんなことをお話してくれました。


「実は私、双子なんですよ。


母が、双子である私たちを育てるのが大変だったみたいで、


怒るのが大変だから、怒らないで育てたんだそうです」って。


私なんかも、そんなには怒りっぽいほうではないですが、


それでも積もってくるとやはり怒ってしまうので、


「よく怒らずにいられるなー」と不思議にも思いましたが、


でも、大人相手に考えると、


怒ること自体にエネルギーを使うのがもったいないような気がして、


怒るのをやめておこう(なるべく深く関わらないで流しておこう)


みたいな気持ちになる事はあるので、


そういう感じなんだろうか・・と思ったりもしました。



何でもかんでも怒るって、絶対、良くないですけど、


でも、ある意味では、ある種のエネルギーの節約であったり、


手抜きともいえるのかもしれない、とも思いました。



だって、絶対子供って、ほめられることしかやってない、とか


ありえないですもん!


怒って(叱って)当然!みたいなことを、日々、やらかしますもん!



博史先生の家の前で、よく寝ている、猫の親子でさえ、


お母さんは、こどもをちゃんと叱ります。



よく「ほめる子育て」って言うけれど、


それは基本にあったらいいのだろうとは思うのですが、


やっぱり、生き物である以上、


「叱る」っていうのも、基本的に標準装備されていて、


それも一人前の人間に育てるために、


時々は使っていくのが自然なのかなと、


あらためて考えさせられたりもしました。






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