障がいを持つ子と楽しく暮らす。(入学式の歌篇)

我が家の次男、けーすけ(仮名)は、障がいを持っています。


知的障がいと自閉傾向です。


今月で16歳。高校一年生になりました。


幼いときからの話も沢山ありますが、


それはまた今度ということで、


今回は、まあまあ最近のお話。



先月、県立の某高等学園に入学しました。


「高等学園」って、聞いたことあるような、ないような、でしょ?


普通は「高等学校」じゃないですか。


高等学園、って、特別支援学校なんですが、


いわゆる養護学校、みたいな、重度の障がいを持っている訳ではない


軽度~中等度の障がいを持つ子が通っている学校です。


(ウィキで調べたら、サポート校とか、他の用例もあるようです。)


ついでに併記しておきますと、


障がいの重さだけで学校が分けられるわけではなく、


一応試験なるものがあるんです、高等学園には。


小学4~5年生くらいの問題が出題されます。


ちなみに、うちの県ではですが、


どこの高等学園がレベルが高いとかはあまりなくて、


その年によって倍率が変わります。


ちなみにけーすけは、別の高等学園を第一志望にしていたのですが、


そこが去年は0.88倍くらいで、


みんなが「いける!」と思ったんでしょうね、


今年は殺到しまして、なんと1.5倍を超えまして。


さすがに腰が引けまして、別の所に志願先を変更しました。


で、併願で、滑り止めとして、


養護学校的なところにも願書を出し、面接もしました。


その学校の先生も、実にいい先生でした。


「うちの学校に来ても、ちゃんと一般就労(障がい者枠)もできますよ」と


言ってくださいました。


前にバザーに行ったことがあり、


その時に、障がいの軽い子から重い子まで、


幅広い子達が学んでいて、それぞれに合ったものを


学んでいるんだと感じていたので、なるほど、って思えました。


面談の日にけーすけに、「どっちの学校がいい?」って聞いたら、


「どちらでもいい」みたいなことを言っていたので、


「受かったら受かった、落ちたら落ちたで、それでいいんだ」


と思って、受験に望むことができました。


で、結局、合格できたので、そこの入学式の話題になるんですが。


(お~、ようやくこの話題に戻ってこられた!(笑))



けーすけの小学校の入学の時には、


慣れない所だとパニックを起こす可能性もあるため、


特別に、事前に会場に入れてもらい、


歩かせてもらったりしたなーと、懐かしく。


そんなけーすけも、馬子にも衣装じゃないけど、


高校の制服(ブレザーにネクタイ)なんか着ちゃうと、


相当かっこよくなっちゃうわけです。


ああ、いろいろあったけど、ここまで育ててよかったな~、と


ちょっと感動の入学式。



在校生の先輩達が、入学式で歌を歌ってくれました。


校歌と、何か歓迎の歌(題名を忘れてしまった^^;)。


入学式の始まる前に、歌の練習が10分くらいありました。


(このスタイルも面白いですが!)


先生が前に立ち、「歌い出しをもっとはっきり!」とか、


まるで合唱祭の練習みたい。


そして、歌がまるで合唱祭みたい!


校歌でさえも、全力投球の合唱みたい!


中高生なんて、校歌なんかまともに歌わないじゃないですか~。


合唱祭だって、「男子!もっと真面目にやってよ!!」と、


女子にさんざん男子は突っつかれて、


やっとなんとか曲として仕上がってくるのが


お決まりのパターンじゃないですか(笑)。


でも、この学校の生徒さん達は、


普通に、入学式の校歌で、合唱祭レベル!


凄いなあ~と思ったんですよね。


その、素直さと、純粋さと、表現力、行動力。



その時に、ふと思ったんです。


こういう時に、うっかりするとおちいりがちなこと。



こんな時、「障がいがあるのに偉いね~(凄いね~)」


みたいな言葉で、ほめてしまうことってある気がするんです。



でも、それって違うよね、って。


障がいを持っていようが、持っていなかろうが、


「新入生を歓迎する気持ちで、心を込めて歌を歌える」


っていう、そのこと自体が素晴らしいことなのであって。



例えば、うちで私が用事をしていて、うちの子供たちの


誰かを名指しで呼んで、


「○○くん(ちゃん)、ちょっと手伝って!今すぐに!」


と言った時に、すぐに来てくれる確率が高いのがけーすけです。


頼むことはたいしたことではない。


揚げ物をしていて手が離せないときに、


電話が鳴る、お風呂のお湯がいっぱいになる、とか。


今!!っていう、この瞬間に来てくれるからこそ、


価値があることで。


それは、能力の高い低いではない、


器用にこなせるかどうかもあまり関係ない、


とにかく「今、この瞬間!」に応じてくれることに


最大の価値があるわけです。


そこには、障がいを持ってる、持ってないとかは


全く関係なく、「素早く応じてくれる」、


純粋にその事自体に、価値があるんですよね。



先日、授業参観に行ったときに、園芸コースのけいすけは、


見渡す限りの、黒い育苗ポットに植えられた苗に、


2粒ずつ、肥やしをやる作業をしていました。


あれを、おそらく午前中いっぱい、4時間やるんだと思います。


その日によって、それが土入れだったり、


ポット洗いだったり、いろいろなんだと思います。


それを、「障がいがあるのに、偉いね~」と言うのか?


いや、健常の高校生がやっても偉くないか?


と思うんですよね。


障がいを持ってるとか、持ってないとか、


そういう前提なしで、


やってることそのものが、正統に評価されるような


働き方や、世の中の仕組みになってほしいなと思っています。



障がいをお持ちのお子さんの子育てをされている方、


もしかしたら、何かの時には、


少しお役に立てるかもしれません。


もし、私でよかったら、お話を聞かせてくださいね☆





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