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今日、初めて来られた方のために、
繰り返しになりますが、今日のお話の元になっている文章を
確認のために、もう一度書いておきますね。
数日前の、ブログ記事、
「アストロラーベの理念」の中で紹介した、
「チームの力 西條剛央 ちくま新書」の中に、
こんな言葉があったんですね。
「何が良いか」を問う前に、
必ず「何をしたいのか」を明らかにしなければならない。
これって、凄くシンプルなんですけど、
いろんなことに当てはまるなと思って。
昨日は、「何がしたいのか」という部分を取り上げて、
何がしたいのか、「自分の本音に、気が付いていない」
というパターンのお話でした。
今日は、もうひとつのよくあるパターンのお話。
目的と手段を、混同する。
例えば、「暴漢から身を守れるようになりたい!」という目的があったとします。
それで、手段として、「護身術を習おう!」となった。
まずは、空手から始めてみた。
格闘技自体が楽しくなって、次にテコンドーもやってみた。
ボクシングにも挑戦してみた。
で、ある日、暴漢に出くわして、
それまでに、いろいろやってきたので自信もついていて、
いっちょやってやるかと思ったら、
相手がピストルを持っていて撃たれてしまった。
これは、本末転倒なわけです。
まず、「暴漢から身を守る!」という目的のためには、
護身術という手段だけではなく、
基本的に、危ない場所、危ない時間帯には外出しない、という知識、
そして、護身の基本に、「逃げる!」っていうことがあるのだと意識しておくこと。
そういうようなことが大事なんだと思います。
けれど、人は、簡単に「目的と手段」を取り違えます。
上の例ではないですが、手段を一生懸命やるうちに、手段自体が目的になってしまうことは、よくあることです。
一昔前によくあったのは(今でもよくあるのかもしれませんが)、
一生懸命勉強して → いい学校にいって → いい会社に入って →
→ 安定したお給料をもらって → 幸せに暮らす
っていう。
これ、最終目的が「幸せに暮らす」じゃないですか。
結構、忘れられがちかなと思うんですよね。
いい学校、いい会社に入ること自体が、目的になってしまって。
そして、高額の給料をもらうことが目的になってしまって。
で、ちゃんと「幸せになった?」っていう話なんです。
幸せって、「青い鳥」の話じゃないけど、どっかにあるものじゃなくて、
いつも「ここにあるもの」、そしてそれを「感じるもの」なんじゃないかと。
基本的には、そうなんじゃないかと思ってるんですよね。
だから、子どもが例えば、かたつむりとかをガラスに乗っけて、
「おかあさーん、このカタツムリが進むの、おもしろいんだよ~
うねうねうねってなるんだよ~」
とかいって、楽しく幸せな気分でいるのに、
お母さんが、
「そんなことはいいから、それよりも、カタツムリは、軟体動物の腹足類、
これをちゃんと覚えとかないとだめなのよ!」
とか言ってると、この子は一生幸せにはなれないような気がします・・(笑)。
だから。
例えば、不登校に関しても思うのですが。
そりゃ、当事者も親も、なんとも言えない苦しさがあるのが普通だと思います。
でも、幾分、それを和らげてくれるのが、
こういうような、「ものの考え方」だと思うんですね。
もう一回、書きましょう。
「何が良いか」を問う前に、
必ず「何をしたいのか」を明らかにしなければならない。
子どもが不登校になった時に、親はどうしてあげたらいいのか、悩むと思います。
学校に頑張って行かせるべきか、休ませるべきか、
それともフリースクール等の、他の居場所に通わせるべきか。
これが、上記の「何が良いか」ですね。
でもその前に、「何がしたいのか」、それが大事だと。
私の場合は、これについて、最終地点ははっきりしています。
これは、学校に行っても行かなくても同じなのですが、
「自分で働いてご飯を食べられて、社会とつながれること」
ここですね。
ここをはっきり押さえることが出来ていると、
そんなに、むちゃくちゃにぶれないで済みます。
そのために、要するに何が必要なのか、ということが、はっきりしてきます。
でも、この「最終地点」の前に、もう少し手前に、
状況によっては、小さめの目標が必要な場合もあるかもしれません。
例えば、不登校って、子どもも葛藤をして、
心身ともに相当消耗してる場合もありますので、
そういう場合は、「何がしたいのか」のところに、
「充電させたい」っていう答えが入ったりします。
そうすると、もうそのためには、
「何が良いか」は「休ませる」となるでしょうね。
これらの言葉は、いわゆる「哲学」というものになるらしいのですが、
「哲学」って、遠いところの、私たちに関係ないものではなく、
よくよく練られた、なんにでもつかえる万能アイテム、なんだなということを
改めて思いました。
恋愛とか、仕事とか、いろんなことに何にでも活用できると思います。
ぜひ、役立ててみてくださいね^^☆