私の小さな夢。

絵本作家の五味太郎さんってご存知でしょうか。


私が五味太郎さんを知ったのは、私が幼稚園時代だったと思います。


タイトルが思い出せないのですが、


鷲(コンドル?)が、肉を岩の陰にかくしたまではいいものの、


その場所を勘違いしてしまい、


「誰が取ったんだ!?」と、


いろいろな動物をうたがう話だったように覚えています。


結局最後に、自分の勘違いだったと、気づくのですが^^;


その時からの、五味太郎さんのファンです。


独特のシンプルな画風と、ちょっと毒の効いた感じ、というか


本質に迫る感じが大好きです。



子ども達が小さい時にも、よく五味太郎さんの本は借りてきてました。


たぶん、何十冊って読んだんじゃないかなあ。


子ども達も、たぶん好きだと思います。


よく、うちの子供の友達などには


「五味太郎を知らずに、子ども時代を終わっちゃいかん!」


などと言っています。



そんな五味太郎さんの本を、久しぶりに図書館で借りました。


「じょうぶな頭とかしこい体になるために」というタイトルです。


絵本というには字が多く、本というには絵が大きい、


片面が絵、片面が字、みたいな本です。



book1



book2



まあ、こんな感じの本です。


子どもの疑問や悩みや、希望に、五味太郎さんが真正面から答えていく本です。


で、いろいろと良かったんですが、あとがきが特に良かったので、


ご紹介します。




あとがき


とくに悪いことをしたわけでもないのにしかられる。


ちょっとおもしろそうなことをやろうとすると、とめられる。


それなりに自分ではやっているつもりなのに、がんばりなさいとか、


しっかりしなさいなどと言われる。


そして、本当に悩んでいることについては、相談にのってくれる人が見あたらない。


まったく子どもって気の毒です。ぼくも昔、だいぶ気の毒でした。


そして今、ぼくは大人をやっているわけですが、まわりの大人を見るにつけ、


ぼくたち大人が作り出している世の中を見るにつけ、


やっぱり子どもはあいかわらず、気の毒なんだろうなと思います。


そして、また、子どもを気の毒にさせておいてでも、


大人のほうはとりあえず幸せだというのなら話は、ま、わかりますが、


当の大人たちもそう幸せそうではありません。


やっぱり気の毒なのです。どうしてなんでしょうか。


これじゃ、子どもが気の毒をやっているかいがありません。


そして大人自身が気の毒な状態だから、子どもをしかったり、文句を言ったり、


指導にまわったり、むやみにはげましたり、勝手に愛しているふりをして、


なんとかごまかしているようにぼくには思えます。


なんで大人がそこまで気の毒な状態におちいってしまったのか、


理由はよくわかりませんが、その大人の気の毒が子どもの気の毒を生み出し、


子どもの気の毒が大人をもっと気の毒にする、そんな感じ。


いつまでたっても終わりそうもありません。


自分でやるしかありません。


あたりまえすぎる言い方ですが、自分で自分の気の毒を解決してゆくしかないのです。


それは大人も子どもも同じです。


自分で考え、自分で悩み、自分でしかり、自分をはげまし、


そして自分を可愛がってゆくしかないのです。


そのために、けっこうきつい問題でもなんとかこなせる「じょうぶな頭」と、


好きは好き、嫌いは嫌いとはっきりわかる「かしこい体」が必要なんだろうと思います。


気の毒な大人があみ出した、


かしこい頭とじょうぶな体になるための方法をまじめにやっていても、


さらに気の毒になるしかないのです。


それではいつまでたっても不安なのです。


できるかぎり自分の頭と体を信じて、生活してゆくしかないと思います。


それも信じられないで、人のためにどうのこうの、世の中のためにどうのこうのなどと


言っている場合じゃないと思います。


大人もしっかりしますから、子どももしっかりしてください。



この本は、少し気の毒な状態ですが、その気の毒さに気づいている、じょうぶな頭と


かしこい体をもった子どもたちの声がベースになって作られました。


そしてかつては少し気の毒でしたが、今はけっこう幸せな大人たちが、


いろいろと調べたり、考えたりして協力してくれました。


お礼を申上げます。 1991年1月31日 五味太郎





1991年って、結構、前ですけど。


もう30年以上経ってますけど。


未だにこれは解決されないというか、酷くなっている感じさえします。



私の小さな夢の一つとして、


こういうような本質的なおしゃべりをする会を、


子ども達とやりたいなっていうのがあります。


そういうことが、自分の頭でしっかり考えられる人を育てることが、


世の中が変わっていく元になるんじゃないかって、思っています。



そんな会をやるとしたら、参加したい方、ぜひコメント下さい。


お待ちしています^^☆


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2024年04月21日

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