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カウンセリングの技術として、
最初の方に出てくる手法の中のひとつに、
「相槌(あいづち)」があります。
ネットで、これについて調べてみると、
出てきます、出てきます、いろいろと。
「はい」「はいはい」「うん」「うーん」「ふーん」
「ああ」「ええ」「そう」「そうそう」
「はぁ」「へえー」「ふーん」「おおっ!」
「ほお」「なるほど」「たしかに」「それで」
「さすが」「すごい」・・などなど。
もっと親しい間柄の時には、
「マジか!?」「ほんとに!?」「えーっ」「ウソー」「ないわー」
なんて言葉も、使ってますよね。
さらに、たとえば同じ「そう」でもいろいろなバリエーションがあります。
「そう」 「そうね」 「そうよね」 「そうだね」 「そうだよね」
「そうですね」 「そうですよね」
「そうか」 「そうなのか」 「そうなんだね」
ちょっと例を挙げないと、わかりにくいかもしれないですね。
例えば、相手がこんなことを言ってきたとしましょう。
「うちの旦那、もう3ヶ月も、ろくに生活費も入れてくれないんですよ。
もう離婚しようかと思って」
これに対しての反応として、
「そう」 と 「そうね」 と 「そうよね」 と。
感じが、違いますよね。
「そう」
の場合は、とりあえず、
何もジャッジしないで聞いている感じになるかと思います。
「そうよね」
の場合は、かなり相手側の意見に乗っていて、
場合によっては、それを進めちゃう感じですね。
「そうね」
は、中間辺りかなと思いますが、
これも、声色とかうなづく調子とかによって濃淡が出るでしょうね。
これらを、ネットで調べていて、驚くような話を見つけました。
あるカウンセラーが
かなり年上のクライアントに対してカウンセリングをする時に、
「ふん」(ちなみに「うん」ではなく)
と
「なるほど」
と
「わっかりました!」
だけで応対していたという。
ありえん!!
よくぞそんなんでカウンセラーになれたな?!と思いますが・・。
(今はもっと上達されていることを願います・・)
今回、「相槌(あいづち)」ってことで、
まあ、いろいろ上記に書いてみましたけど。
例に挙げましたが、「そう」だけでもかなりバリエーションがあったように、
他の、「はい」「うん」「ええ」とかも、
いろいろバリエーションがあるわけです。
(ちなみに、場合によってはあえて
「相槌を打たない」という瞬間もあっても良いかと思います)
そして、バリエーションがかなりある相槌にプラスして、
聴いている姿勢や、目線、表情、うなずきの深さ(浅さ)、
みたいなことを含めると、けっこう無限に広がりがあるわけです。
で。
そもそも、なんでこんなに相槌があるかというと。
「これだけ覚えて、こんなに使いこなせますよー」っていう
カウンセラー(聴き手)の技術を見せるためではなく。
(・・そんなことは、あたりまえなんですが。
意外とカウンセラー自身が、相手の話を聴くよりも、
ちゃんと自分、相槌打ててるかな?とか
そっちが気になっちゃう人が多いみたいなんですよね。
「傾聴の学校」の神戸先生が言ってました。)
いかに、相手が気持ちよくしゃべってもらえるか。
それを引き出すことが出来るか。
あくまでも、「相槌」の種類とかが大事なのではなくて。
『聴くこと』に集中すること。
そして、そこから出てくる自然な反応として、
「相槌」があるということです。
でもまぁ、知らないよりは、
ああ、こんなにいろんな種類があって、
いろんなバリエーションがあるんだ!
と、一回知ってもらう。
そして、それを、頭の片すみにわずかに残したまま、
ほとんど忘れてしまって、
聴くときは、話に集中して、
自然に「頭の片すみ」から、それが引き出されてくる。
それで、結果として、相手が気持ちよく話せる。
それが良い「相槌(あいづち)」なんじゃないかと思います。