ヘルペスの口内炎

私は、幼い頃はどちらかといえば体力が無くて病弱でした。今までで一番重く患った病気といえば、保育園児の頃にかかった麻疹と水疱瘡で、手足がガリガリに痩せ細ってしまったことを覚えています。でも、その頃にうんとウィルスに攻撃された為なのか、それ以降は普通の風邪やインフルエンザにも滅多にかからなくなりました。記憶の限りでは、過去18年間で、風邪をひいたり、体調をこじらせたのは、1、2回くらいなのです。コロナ禍の三年間も、外出時にもマスクなどは付けず、根菜類の皮の部分と、ビタミンDを積極的に食事からとる生活をしていて、咳一つ出ることはありませんでした。


それが今日、珍しく口内炎になりました。病院に行ってはいませんが、症状を観察すると、これはたぶん単純ヘルペスウィルスの症状だと思いました。唇や舌などにプツプツが出来てしまう病気で、子供の頃などに一度かかったことがあれば体内の神経節に潜伏していて、免疫力が低下したときなどに症状が出てくるものです。最近、気功も毎日やっていましたし、特に疲れたという感覚もないので、何故だろうという感じです。


幸い猫が風邪を引いたときに良く効く薬で、人間用のアシクロヴィルという抗ウィルス薬があまっていました。1000mgを五回に分けて、1回200mg分飲むというやり方を5日間続けるのが一般的なので、試しに今飲んでいるところです。

ウィルスの増殖を押さえ込む薬ですが、あくまでも治すのは自己治癒力、免疫細胞たちの活躍によります。ヘルペスによる口内炎は7~10日間あれば自然治癒することがほとんどなのだそうですが、症状が顕著な間に、抗ウィルス薬を飲めば効き易いようです。


こんな時、私はネットで色々調べて、抗ウィルス作用のある植物が無いか検索したりすることがあります。家の裏庭に繁茂している「ドクダミ」を調べてみたところ、ドクダミを水蒸気蒸留させた液体には、インフルエンザウィルス、単純ヘルペスウィルスⅠ型(恐らく私がなっているのはコレ)、エイズウィルスに対して、著しく直接的な不活性化作用を示す、n−デシルアルデヒド、n−ドデシルアルデヒド、メチルn−ノニルケトンといった成分があるということが分かりました。そこでドクダミをわしゃわしゃ採ってきて、それを良く洗い、生でムシャムシャ食べるという野生的な荒治療をやっているところです。つまり、抗ウィルス薬を飲みつつ、野草のドクダミ(生薬としての名前は「十薬」)を食べるという、西洋医学と東洋医学の組み合わせ業です。

たぶん半径10km範囲で、私以上にドクダミをムシャムシャはんでいる人間(及び動物)はいないと思います。極めて不味いのですが、それがかえって効きそうな気がします。


 さらに、元極功法で気を練った後、手のひらで顎の周辺を包み込み、気を流してみました。今まで猫を眠らせるためとか、和香葉先生の肩こりや頭痛を和らげるために気を当てることはありましたが、自分の体に当てる機会はありませんでした。実際に気を当てると、両手のひらから気が出ていることが実感できました。モワーっとした触感があるんですよね。トゲが刺さったような微かな痛みが幾つも右手に伝わってきました。これは恐らく神沢瑞至先生がご著書の中で解説されていた、病状の情報が手のひらに体感として伝達されてくるという、あれだなと感じました。この痛みが引いて行くと気の治癒効果が及んでいる兆しのようです。驚いたのは、ちょうど顎骨周辺のリンパ腺のあたりに両手を置いたところ、唾液がジュワーっと分泌されるのが分かりました。まるでスイッチを押したかのようにです。丁度、乗り物に酔った時に、勝手に唾液が出てきてしまうときの感覚です。乗り物酔いのときは、あの唾液が生じると非常に焦ります。それはダム崩壊までのカウントダウンだからです。私は唾液が分泌されたとき、やはり、気分が悪くなる感覚が一瞬ありました。予想ですが、たぶんそれはウィルスという病原を体内から排撃しようとしているため、身体が不快感を感じているのだと思います。それまでは出ていなかったのに、明らかに気を当てた瞬間、身体側が反応して唾液を分泌したようでした。元極功法の念訣(詩のような短い文章)のなかに”金津玉液(きんしんぎょくえき)、霊苗(れいびょう)が生ずる”という言葉があります。金津とは、唾液のことを指していて、気功の世界では、気を練っていくと唾液が甘く美味になってくると教えられています。

その味覚の変化によって全身の気が十分に充実しているかどうかをチェックできるというのです。霊苗というのは、霊芝の苗ですが、これは人体の竅穴(きょうけつ)から生じるエネルギーを喩えたものです。道教や仙道の瞑想や気功ではこの津液(唾液)を重視します。中には”胎内の嬰児(えいじ)を養う”といって、体内に霊的な赤ん坊を創りだして、その赤ん坊に溜めた唾液を飲ませることを想像しながらゴックンと唾を飲む、というような瞑想すらあります(!)。私は、きっとリンパ腺附近に気を当てたことによって、ウィルスを排除しようとする自然の本能が活性化されて、唾液が分泌されたのだろうと思いました。


 ちなみに、最近、”気”のことを、スターウォーズ風に”フォース(日本語の字幕では「理力」)”と呼んでいます。久々に口内炎になってしまいましたが、ドクダミをほおばりながら、フォースを練って寝ようと思います。


季節が秋めいて来ましたが、皆さんも風邪やウィルスに負けないように、健やかにお過ごし下さい。


”May the Force be with you! ”


フォースが共にあらんことを!


小室博史



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